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「目標」と「行動理念」が定まったら、「課題」を書き出していきましょう。今回はSMARTというフレームワークを用いた課題の設定手法についてご紹介いたします。
「課題」とは何か?
「課題」とは何か?――それは、何かを成しえるために解決すべき問題のことです。
課題を上手に設定できることは、モチベーションを高め、より高品質な時間を過ごし、目標に近付いていくその間も楽しいと思えるようになります。目標到達は決して楽しいことばかりではありません。自分の苦手なこともやらなければならない瞬間もあるでしょうし、周りからの反応が厳しい物だったりすると辛い思いをすることもあります。
しかし「目標」は他の誰かのためではなく、自分の為に設定した方がよいと私は考えます。親や友人や上司や社長の為にあなたの人生は生きるべきではありません。他人の人生ではなく、他人への配慮もしつつ、あなたの人生を歩み、目標を達成していって欲しいです。
SMARTの法則に則った課題という目標設定
みなさんは「SMART」というフレームワークをご存知でしょうか?
S | Specific | 具体的に |
M | Measurable | 測定可能な |
A | Achievable | 達成可能な |
R | Related | 経営目標に関連した |
T | Time-bound | 時間制約がある |
このフレームワークを用いることで、自分を甘やかしてしまいがちな人ほど、自分を律することができます。
しかし、達成できなかった自分=ダメなんだ。ではなく、なぜ達成できなかったのか、自分にはこの時間制約では追い付けなかったのではないか?測定に無理があったのではないか?逆に余裕がありすぎてだらけてしまったのではないか?など、とにかく問題を見つけることです。
私は目標達成が出来なかった時、「達成できない自分がダメなやつなんだ」と考えてしまうような人でした。しかし、このSMARTのフレームワークに出会い、私は「Achievable(達成可能な)」を無視していた事に気付きました。達成できるかどうかも分からないような目標や課題を立ててしまい、何もない状態で時間制約だけ設けていたのです。
それでは、達成できるはずもありません。
SMARTは目標設定のフレームワークとして用いられる事が多いですが、私はこれを「課題」の洗い出しから使用します。
だって「目標(夢)」はフレームに縛られず、計測できるかどうかなんて気にせず、大きく抱きたいじゃないですか(笑)
SMARTな課題の設定方法
ここでは例として、私の「体調不良改善」という「目標」に向けたSMARTを用いた課題の設定方法を用いてみます。
先ずは当時の症状です。
- 外食時に血の気が引いて吐き気がする
- 仕事が始まると吐き気がする
- 苦手な人との会議が始まると体が震えて吐気が増す
- 頭痛が酷く、風邪をひいていないのに額だけが熱く、冷えピタシートが手放せない
- どんどん体重が増えてしまい、あと少しで60kgになってしまう
- 体脂肪率が高く、もう少しで40%台になってしまう
- 空腹時に下唇が痺れるような時があり、たまに意識が遠のく感覚がある
- 耳鳴りがする、または右耳だけよく聞こえない時がある
これをSMARTに落とし込みます。
Specific(具体的に)
- 外食が気兼ねなくできるようにする
- 仕事を辞めてストレスから解放される
- 頭痛や体調不良になる日数、回数を減らす
- 体重を落とす
- 体脂肪率を下げる
Measurable(測定可能な)
- 体調不良回数の減少
- 頭痛薬および冷えピタシートの消費量の減少
- 体重および体脂肪率の減少
Achievable(達成可能な)
- 健康診断を受ける
- 体の問題を把握する
- 問題解決の方法を研究する
- ダイエットを実践し、計測する
Related(経営目標に関連した)
経営目標と見ると「関係ない」と思ってしまうかも知れませんが、ここはただの「目標」と置き換えてください。
- 健康であることは、私が抱く他のどの目標に向かうにしても必須条件である
- ダイエットや健康維持について発信することで、誰かの役に立てる
Time-bound(時間制約がある)
- 2022年内に何かしらの成果を出す
いかがでしょうか。
思ったより簡単で、なんだこんな事でいいの?と思いませんでしたか。
しかし、実際にこれを書き出したりせずに自分の頭だけでやってしまうと、こんな事だからこそ記憶に残りづらく、後回しにしてしまったりするものです。
課題を小さな目標(=ゴール)に設定する
SMARTに沿って目標に対する思いを箇条書きしたら、ここから細分化して時系列に並べ、小さなゴールに変換します。この小さなゴールが「課題」です。
間違っても、最終ゴール(目標)を最初から掲げてはいけません。そんなことをしたら、本当に辛く苦しい道が待っています。
千里の道も一歩から。
その一歩ずつをゴールにして、気付いたら最終ゴール直前まで来ていたというのが楽しく目標を達成するための最大のコツです。
今回の例での最初のゴールはAchievableにある「健康診断を受ける」ことです。
そこで体の問題を把握したら、そこから改善方法を研究し、何をすればいいのかが明瞭になるからです。
当時の私は、健康診断を予約することさえ心理ハードルが高かったです。
ネットで調べても、いろんなコースがあって、どうしたらいいのか分からなかったのですが、それを質問するための問い合わせをする勇気がありませんでした。
私にとっては、この最初の「健康診断を受ける」ことが、ちょっとしたハードルだったのです。
こういった、ちょっと勇気がなくてできなかったけれど、やろうと思えばできるという程度の課題が、最初の一歩としてはベストチョイスです。
また、時系列に課題を並べ、細分化して課題を可視化することで、待ち時間を有効活用することもできます。今回の場合、健康診断の結果が正式に届くまでに「仕事を辞めること」「今の体重などを計測しておくこと」「計測を記録する投稿フォームを用意しておくこと」が平行して解決できる課題でした。
まとめ
私は2022年7月の内に健康診断を受ける課題を達成しました。勇気を出して電話を掛けて、状況を伝えた上でどのコースを受診したらいいのか教えていただきました。
そして、そこで把握した問題について調べ、改善し、2022年8月からの半年で体重-6kg、体脂肪率-5%、内臓脂肪レベルは最初が計測不能(我が家の体重計ではMAX6.0)だったところから5.5、日によっては5.0がちらほら出てくるようになりました。
外食時に吐気がする事もなくなりましたし、ストレスから解放されたことで、体調不良で気が滅入る中で仕事をする日数が格段に減り、前向きでアクティブな人になれました。
頭痛薬と冷えピタシートの使用頻度もぐっと減りました。
しかし、私はまだ最終目標として掲げた体重と体脂肪率(これは、自分が理想としているもので、健康的な状態とはまた少し異なります)まで到達していません。2023年5月の今も継続しています。
ですが、無理せず、ダイエットという感覚をあまり持たずに「健康」の意識の方が高い状態で継続していることで、特に辛いということはないです。腹筋や柔軟をしていて「う~辛い」はありますが、それはここでいう辛いとは違います(念のため。。。)
とはいえ、私の健康状態の話はさておき、このように自分にとって少しハードルがあるものや少しだけ努力や勇気を持つことで解決できる課題をゴールとして設定することで、それを乗り越えた自分に自信が持てるようになり、次の課題にもポジティブに取り組むことができるようになります。
課題はどんどん細分化して、自分にどんどん達成感を与えて自信に変えていきましょう。自然と継続できるようになって、気付いたらゴールが目の前にあるかもしれませんよ。
最後に、これから何か始めようという人に伝えたい事があります。
これから始める人は、先人といきなり同じ場所は歩けません。
自分位置を確認し、自分の道を一歩ずつ歩き、その道中で先人の知恵や知識の恩恵を受けて、歩調を速めることで追い着ける日がくるかもしれませんし、新たな道を見つけ、先人と肩を並べられる日がくるかもしれません。
功を焦らず、自分に起きた変化に目を向けて、他人のキラキラしたように見える道よりも自分の道に咲いた花の美しさに自信を持って欲しいです。その花の美しさは、あなたの後輩たちにはキラキラした道に見えると思います。
これは私自身にもよく言い聞かせていることです。
他のキラキラした人たちを見て、私も羨ましく思います。
でも、憧れの眼差しを向けたところで自分の道に花は咲きません。
自分の道に花を咲かせる方法は、着実に「やる(Do)」ただこれだけです。