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前回の「5S活動の始め方」で家族への説明と自宅のブロック分けができたら、いよいよ実践です。
実践時に気を付ける事は、下記です。
- 一気にやろうとしない
- 完璧にやろうとしない
- 達成感を感じられるように工夫する
- 習慣化するまでは、見える化する
では、順番に見ていきましょう。
「一気にやらない」「完璧を求めない」と決めることで、自分の許容範囲を超えないようにする
私が5S活動の実戦を始めたのは、まだフルタイムの仕事を辞める前です。
いくら引き継ぎがひと段落して、知見を資料にまとめるだけになったからと言って、すぐに全力で5S活動に取り組めたわけではありません。
新しい事を始める時、よほど時間や体力が余っていない限りは、何かを捨てなければできないからです。
今までは、この土日で!など、「期限を決めて」「完璧にキレイに」を目指していました。ですが、一気にやったところで、普段の生活態度がかわらなければ1週間と立たずに元の通りになりますし、綺麗なのは一瞬です。
また元の状態に戻ってしまった部屋を見て「あの時間は何だったんだろう」と深い溜息ばかり吐いていました。
そもそも「完璧」って何ですか?
一般人がする掃除の完璧だって、プロから見ればまだまだでしょうし、それにばかり時間もお金もかけるわけにはいきません。
5S活動は日々の積み重ね。
「キレイにする > 汚れる」の図式が崩れなければ、必ず良くなっていきます。
この図式が毎日5分で作れる人、15分で作れる人、30分で作れる人、1時間かかる人、それは人それぞれだと思います。
今後、整理・整頓・清掃の時に私が工夫した事等もお伝えしていきますので、もし時間が掛かり過ぎているなと感じる場合は、「整理とは何か」について、今一度考えてみることをお勧めします。
小さなゴールを沢山用意することで、達成感を随時味わい自分に自信をつける
以前のブログでこの記事を書いた時には、5S活動を続けて2カ月の頃でした(諸事情で書き直しています)。ですが、今はもう10ヶ月近くになろうとしています。
あの「三日坊主にも届かなかった私が」です。
小さな達成感(要するにゴール)を沢山用意することで、今日はこれができた!という達成感を味わうことができます。そして、この「できた!」というのは、自分に自信を持つ最大の効果があると私は考えています。
私が達成させた小さなゴールは既に沢山ありました。
- フルタイムの仕事を辞めると決められた
- 自分のダメな所に向き合えた
- 5S活動をやると決められた
- 5S活動の本質を理解できた
- 家族への説明会ができた
- 自宅のブロック分けができた
ゴールと聞くと、今回の場合は「心地良い家になった」という最終ゴールのみを掲げようとしてしまいがちですが、長期戦になるものほど、最終ゴールはふわっとしたものにしておき、目先のゴールに全力で取り組む方がよっぽど効率的です。
最終ゴールをふわっとでも決めた方が良いのは、目先のゴール設定が最終ゴールに向かうものかどうかを判断するためです。また、ふわっとしか決めないのは、人生山あり谷ありで、状況も変わってくるため、その都度柔軟に対応できるようにするためです。
私はこの方法で自分に達成感を何度も与え、自分だってやればできるじゃん!と自信に変えてきました。ゼロからプラスにするには、果てしない強者たちと競う必要がありますが、マイナスからゼロにすることは、自分との闘い、すなわち努力次第で、他人と関係なくできるのです。
習慣化して、5S活動を自分のものにできるまでは、記録と問題を「見える化」する
さて、ここからが今回の本題です。
習慣化できるまで、私はなぁなぁにならないように記録をつけることにしました。
さらに私はとってもズボラなので、すぐその場で記録が付けられないと面倒臭がってやらなくなることがわかりきっていたので、いつも手元に置いているスマホから記録できるようにしようと決めました。
上記のフォームはGoogle社が提供しているフォームアプリを使って作成したものです。
フォームは習慣化するまで2つ作ったのですが、これは問題だらけだった最初の頃のものです。
2022年6月18日~同年9月6日まで、このフォームを使用しました。
フォームの流れはこんな感じです。
ブロック① 今日の5S活動の対象か [Yes or No]
⇒ Noの場合は次のブロックへ
⇒ Yesの場合は「要・不要なものはないか」「元の位置に戻っているか」「汚れていないか」「清潔レベルはどの程度か(3段階評価)」「躾が必要か」
これを各ブロックを巡回しながらスマホでポチポチチェックしています。
最後の「躾が必要かどうか」については、毎回汚れてしまっている場所や、物が戻っていない場合に、何が原因で戻せないのか? この場所にあることは本当に正しいのか? というアップデートが必要なタイミングで「要判定」をするようにしています。
先述した通り、これは私の為の活動なので、決して、家族を躾けるという意味では使っていませんので勘違いなさいませんように!
私の場合は11ブロックあるので、全22ページと多く見えますが、大雨の日にベランダ掃除をしたりしない事や、問題があり過ぎて初回手を付けられない部屋を毎回5S活動の対象にすると書く事が山盛りになり、億劫です。そのため、スキップするかどうかを判定する為に1ページずつ挟むことにし、この形になりました。
次に紹介するのは、5S活動の「整理・整頓」がある程度終わり、後は少しずつしか進められないところまで行った段階で作成したフォームです。
整理メモと清潔メモの間に、整頓と清掃のチェック項目、それぞれのメモブロックもありますが、こちらの画像からは割愛させていただいてます。
このフォームは2022年9月8日~同年11月24日まで使用しました。
とは言え、既に3ヶ月以上継続していた私は、5S活動をしているけれど記録はつけていない状態になっていました。
―—そう、記録を付ける方が面倒になってしまったんですね(笑)
これは既に習慣化できていると言っていいのでは? と思ったので、その後、ダメ押しで2022年末まで様子を見た所、フォームに記録しなくてもしっかり本質に則った「5S活動」を続けていたので、フォームへの記録を廃止することに決めました。
<記録付けのポイント>
記録を付ける時にメモ欄に書く内容として注意したことは、「汚い」とか「ダメ」とか具体的なものが見えないことは書かないようにすることです。
具体的には、下記のような感じで書きます。
(整理の場合)
- キッチンの生ごみが溜まったままになっている
- ティッシュペーパー、洗濯用洗剤がない
- 布団カバーが破れている
- 聞いていないCDが沢山ある
- 履いていないボロボロの靴がある
(整頓の場合)
- キッチンの食器が元の場所に戻っていない
- 画材を仕舞う場所が決まっていない
- 本棚の上段に入れるべきものが決まっていない
(清掃の場合)
- 網戸の汚れがひどい
- 室外機側のサッシがキレイになっていない
- お風呂場とキッチンの排水口掃除はもう少し短いスパンで行った方がよさそう
こうすることで、生ごみを今すぐ捨てたり、今日の買い物でティッシュペーパーと洗剤を買ってきたり、網戸の掃除をしたりと、行動をベースにしたタスクに落とし込むことができます。
もしたくさんある場合は、1日ですぐに解消しようとせず、今日はここを、明日はここを、というように無理せず小分けにして、でも確実に対応していきましょう。
そういう意味でも、記録を残し、見えるようにしておくというのは大切なことです。
まとめ
記録が残るという事は、5S活動をやった証拠になります。
どうしてもできなかった、サボってしまったなんて落ち込む必要はありません。
今日○日目!などと数えるからいけないんです。
気付いたら、振り返ってみたら○ヶ月経ってた!というのが理想です。
体や心が休みたいと大声で叫んでいるなら、本当にヤバいなら休むべきです。
ただのサボりかどうかは自分の胸に手を当てれば流石にわかりますよね?
自分で決めた事、自分に責任があることなので、もしサボってしまったら、今日が初日!とまた始めればいいんです。
Google社のフォームはとても汎用性が高く、そのままスプレッドシート(Microsoft社のExcelのようなもの)に記録を転記させることもできるため、私は様々なシーンで活用しています。
さほど作り方も難しくはないので、気になる方がいらっしゃったら、ページフッター部分にあるお問い合わせからご連絡ください。
5S活動を継続させることができたことで、私は少しずつ自信がつき、また以前とは比べ物にならないほどの快適な部屋で、心穏やかに生活ができるようになりました。
何よりもイライラしたり、怒ったりする回数が圧倒的に減りました。
キレイで清潔な部屋は、心まできれいにしてくれるのかもしれないですね。